けま侍メモ

ジャニーズWEST桐山照史に関する情報など雑多なメモ

「ライオンのあとで」のあとで

遅くなりましたが舞台「ライオンのあとで」完走おめでとうございます!

今回は一日一公演だったので公演数はアマデウスやマリウスに比べると少ない全19公演でした。


それでも個人的には今回の舞台はリピーター向けのスルメ舞台である!という印象を受けました。

というのも、私自身3回目の観劇で急にだーーっと涙が溢れて号泣してしまったんです。
それまでは普通に観てたのに、3回目で号泣。自分でもビックリしました。





とりあえず内容を簡単に説明すると、


舞台事故により負傷した脚を切断する決意をした女優サラ。その手術を担当することになったのが軍医であるデヌーセ少佐。
少佐はサラのファンで、「女神をかたわにするなんて…」とためらいますがサラの要望通り手術を決行します。
そして術後、少佐はサラのために義足を用意しますが、サラは結局歩くことができず諦めてしまいます。
そんなサラに「歩く姿をこの目で見たかった」と言い残して少佐は去ります。
少佐の行く先は、戦地でした。

手術後もサラの自由気ままで強情な性格に振り回される秘書のピトー、付き人のグルネー夫人。二人は給料も払ってもらえずサラに対して愚痴をこぼすこともありましたが彼女の元を離れることはありませんでした。

やがてサラは玉座を使うという案を思いつき、歩けない身体でありながら戦地への慰問を実現させました。
そこでデヌーセ少佐と再会。しかし彼は頭に包帯を巻かれ静かにベッドに横たわっていました。
頭上で砲撃を受け負傷した少佐。彼がいる場所は”死体置き場”と呼ばれているとピトーが説明します。
それを「しっ。少佐に聞こえるでしょう」と注意するサラに、ピトーは「聞こえはしますが、意味はわからないでしょう…」と返します。
それでもサラは少佐に語りかけます。「合図をして」「叩きますよ」とサラ独特の言葉で何度も語りかけます。
時間になりサラがその場を離れようとした時、少佐は手をのばし反応します。


そして二幕。
サラの戦地への慰問はマスコミに大きく取り上げられ、それを得意げに話すサラ。
そんなサラの話をさえぎり「サ~ラ~!!サ~ラ~!!」と叫ぶ少佐。
少佐は脳にダメージを受け一幕とはまるで別人、よだれを垂らしたり人に甘えたりと子供のようになっていました。

慰問を終えご機嫌なサラの元にはある出演依頼が舞い込みます。
それはなんとサーカスの出演依頼。出番は「ライオンのあと、ゾウのまえ」。
見世物のような扱いにサラは大きなショックを受けますが、やがてサーカスに出演する覚悟を決めます。

そんな中、デヌーセ少佐は途切れ途切れではありますがあることを語りだします。
ピトーはそれがサラに関することだと気付きます。
少佐が語っていたのは、サラとの記憶でした。
自分が観たサラのフェードルも椿姫もナポレオンの息子も、ベッドに横たわる自分に話しかけるサラも、医者として自分を頼り招き入れてくれたサラも、少佐の胸にはしっかりと刻まれていました。
自分が心から愛した聖女、黄金の声、もう二度と会えないと思っていた「あの人」のことを涙ぐみながら話します。

また、サラを愛していたのは少佐だけでなく、ピトーもでした。
サラのことをキチガイ・キ印と言っていたピトーですが、二人きりの部屋ではサラに対してあなたを深く慕っていると語りかけます。
グルネー夫人も次第にサラに対して献身的に尽くすようになります。


ラストは特別なサラのサーカス。
ピトーはサラに「貴方様はどこにいらしてもサラ・ベルナールです」と語りかけます。
ハムレットの名場面を全身全霊で演じるサラ。
それを観て感動するグルネー夫人、記憶をたどるような仕草をする少佐。
片足の身になろうと変わらず堂々と演じるサラはピトーの言葉通り「どこにいてもサラ・ベルナール」でした。


物語はここで終わります。




さてこの中で私がどこで号泣したかというと、
・ベッドに横たわる少佐にサラが語りかけるシーン
・少佐が「あの人」の記憶を語りだすシーン
でした。


ピトーもこの二つのシーンについて劇中で語っていました。

二つのシーンはリンクしている部分があるので、サラの言葉や一幕の出来事が頭に残っていればいるほど胸にグッときたと思います。
とにかくサラとの記憶をひとつひとつ丁寧に拾えれば拾えるほど、デヌーセエエエエ!!!(泣)ってなります( ;∀;)


一度ちょうどそこの語りの立ち位置付近の最前列の席で観劇したんですが、だんだん赤くなって涙ぐんでいくデヌーセの目が今まで見たことがない目で、人って目だけでこんなにも感情を表現できるものなんだとただただ圧倒されました。
いつもは案外冷静に観劇することが多くて「ここの照明すげ~」とか「隣の人きゅんきゅんしてるな~」とかいろんなところに目が行くんですが、その時ばかりは”ジャニーズWEST桐山照史”ではない、”デヌーセ少佐”をただ見上げることしかできませんでした。

そして声色が軍医の頃のデヌーセに戻った次の瞬間、ふっと目の表情がまた変わりました。
目が変わった、と思ったのも束の間、デヌーセはう~ん…と言葉が止まりまた思い出せないと悩む少佐に戻っていきました。

しかしその直後、ピトーがサラの名前を口にします。
するとデヌーセはハッと目を見開いて「サラ…サラ…!!」と涙ぐみながら愛おしそうに何度も口パクでサラの名前を繰り返します。


もうデヌーセのサラへの愛がしんどい…( ;∀;)
最初に脚の切断をためらった時、切断手術は何度もやったが貴方の場合は兵士たちとは違う、と言うデヌーセ。
それに対してサラが自分の年齢のせいか聞くと「ええ…それもある」と濁すんですよ。

デヌーセのサラへの愛を知ってからそのシーンを観ると、本当の理由がわかります。



それと実はもう一箇所、号泣とまではいかないけれど泣いてしまったシーンがありました。
過去より新しいこと、と話すサラがデヌーセを見て「この人がそうかもしれないわ」と笑うんです。

デヌーセは脳のダメージにより記憶ができないと思われていた。けれど実際にはサラとの大事な時間は深く胸に刻まれていた。
何気ないシーンですが、ピトーが「奇跡だ」と表現したデヌーセの愛の深さを物語っているようでした。




ピトーのサラへの愛も観劇を重ねるごとにより深く伝わってきました。
サラのことを「キチガイ」とか「あの人は女神なんかじゃないよ」とかひどく言うのって、”デヌーセの前で”なんですよね。
デヌーセにちょっと嫉妬に近い感情も抱いてるんじゃないかな?と個人的には解釈してました。
ちなみにパンフレットではピトーはサラに愛も憎しみも抱いている、という風に語られていました。

棺桶に入ってセリフを覚えるなんてそんなキチガイじみた話ある?!と自分はわざわざサラの変人エピソードをデヌーセに話すのに、グルネー夫人がサラのいびきオナラにおいの話をすると「下品な話はお慎み下さい!」ってなるんですよね。
サラに褒められた時に驚く反応もかわいかった(笑)


ピトーがサラの戦地慰問や旅に反対するのも、サラのことを想うからこそ。
サラの脚をスパーッとやっちゃってくださいよとデヌーセに話すのも、サラを痛みから解放してほしかったから。
サーカス出演に反対するのも、”片足のおばあさん女優”ではなく出会った時と変わらぬ”名女優サラ・ベルナール”として接しているから。


サラが義足を使って立つことができた時、ピトーはガッツポーズをして誰よりも優しく微笑むんですよ…うう…_(:3」∠)_






で、ピトーといえば。
この「ライオンのあとで」はピトーがサラに語りかけるシーンで不思議な感覚に陥ります。
ピトーは、デヌーセの「膝の上、膝の上からです。」というセリフから始まりハッピーエンドで終わる、サラが一切歩くことなく芝居ができる戯曲を提案します。

それがまさにこの「ライオンのあとで」。

座ったまんまできる芝居を書いてもらえばいい、と言うサラを笑っていた観客が、その瞬間にもまさに座ったまんま、歩くことなく女優として存在するサラの芝居を観ていることになります。

ピトーのセリフを聞いた瞬間ハッとなって鳥肌が立ちました。







さらに「ライオンのあとで」を観て一番に感じたのは、この感動と迫力は生の舞台でないと!ということです。
もちろんドラマだったり映画だったり映像でのお芝居も魅力的です。

けど生で芝居を観ることができるのってなんて幸せなことなんだろうって。


劇中、サラは自分の声が入ったレコードを本当の声じゃないと投げ捨てます。

言い換えれば、舞台でのお芝居だけはリアルタイムで本物の声を感じることができる。



アマデウス」大千穐楽松本白鸚さんがおっしゃっていたように、舞台は形に残らないけど心の中に残ります。
その形でないもののために、これからも出来る限り足を運び続けたいと思いました。









で、今後私が個人的に観れたらいいなと思うものメモ。



★V6坂本くんとのミュージカル

坂本くんとの舞台共演待ってます。
今はまだ「屋良くん羨ましい!!」だけどいつか絶対…!
ストレートプレイも好きだけどミュージカルで観たい!

屋良くんが坂本くんに「汗かけよ~」と言われて「かきたいけどかけない!」ってなってると連載で言ってたので…是非汗かき後輩をお願いします!汗かけます!!(笑)



★がっっつりシェイクスピア

特にハムレットが観たいです。
なんだかんだハムレットってちょくちょく関わってきてるんですよね。

「音楽劇マリウス」でパニスのセリフ(ハムレットのガートルード)
「ANOTHER」優馬のセリフ(SHOCKでもやってるシーン)
そして今回「ライオンのあとで」サラのハムレット

さすが演劇のド定番。
みんなハムレットぐらい知ってるよね!的感覚でやってきます。


シェイクスピアの悲劇がこんなにも観たくなったのは、「オセローめちゃくちゃ良かったから!!」が大きいです。
神山さん羨ましいいいいいってなりました(笑)
イアーゴーめちゃめちゃかっこよかった!



★ビューティフル・サンデイの秋彦役

本人がやりたいって言ってたのでずっと待ってます。
いい感じにファミレスの店長できそうな年齢になったらやってほしい(笑)

ていうか秋彦39歳でデヌーセ37歳だし頑張れば今でもいけるんじゃ…
だってキンキ39歳とかいう時空の歪みが既にあるし…!
アラフォー思ってるより見た目バキバキに若い。強い。









性懲りもなく長ったらしいブログを書いてしまいましたがここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。

まだまだ年内に観劇予定の舞台はありますが自担舞台が既に恋しい。
また舞台仕事あるといいな。


自担も皆さんも自分もたくさん観たい舞台を観に行けますように!