舞台期間になると観劇マナーについてのツイートをよく目にします。
私もあまりにひどいと感じると思わずつぶやいてしまいますが、本当なら口うるさく言いたくない人がほとんどなはずです。
ですがこれだけ問題視されていても残念ながらマナーを守ってくれないお客さんは大勢います。
その場で注意してもわかってくれない人も少なくありません。
多くの人がスマホを持ちインターネットで簡単に観劇マナーを調べられる時代にも関わらずこの状況ということは、まず調べようという気さえないんだなと悲しくなります。
以前、ラジオでNEWSの増田くんがファンに観劇マナーを質問されて、映画館に近いというわかりやすい説明をしていたと聞き感心しました。
それは増田くんにだけでなく、その質問を送ったファンの方にも。
わからないこと知らないこと初めてのことを調べよう、聞いてみようと素直に思える、それがどんなに大切か。それができない人がどんなに大勢いるか。
でもおそらく映画館に近いと聞いてもピンとこない人もいると思うんです。
映画館でスマホ見たりしゃべったり、という方結構いますし。
そういえば昔、友達に「SHOCKのDVDって客席の音消してるんじゃないんだね！誰もキャー！とか言わないからビックリした！」と言われて「いやこっちがビックリした」ってことがありました。
ジャニーズのファンだと特にコンサートと区別ができていない人は多いようで、上演中「かわいい～♡」とか「かっこいい♡」とか普通に言ってて驚きます。
さらにネタ場面で笑うのでなく「はああ～～♡」みたいな声をあげている人もいて、いやせっかくの笑いの台本台無しにすな？！そういう場面じゃねえから！！と正直イラッとします。
もちろんおもしろい場面では笑って、感動したら泣いていいんです。
ただそこに言葉はいらない。わざわざその場で口に出して言う必要はない。
ちゃんと理性を働かせてほしいんです。
ファンの年齢層が低いとマナーが～ってのもよく聞きますが、年齢の問題だけじゃないと思ってます。
というのも、私が初めて舞台を観劇したのは小学校低学年の頃でした。
観劇前に母がいろいろ教えてくれたのを覚えています。
なんでダメなの？と聞いたり反抗することもありませんでした。
「周りの人の迷惑になるから」が自分で理解できたから。
それが何歳になっても理解できない人がいるのが信じられません。
特に母は上演中のマナーだけでなく細かいところにまで気を配っていました。
私の服装も「ジーンズは避けよう、劇場は特別な場所だから」と言いながら選んでくれました。
私と母が初めて観た舞台は堂本光一くんの「SHOCK」でした。
当時の帝国劇場は今と比べるととても敷居が高く、子供の私でもなんとなく緊張してしまったのを覚えています。
初演の頃、まだ21歳のジャニーズのアイドル堂本光一が帝国劇場で座長？！ということで批判もかなり大きかったそうです。
「帝劇の歴史を汚した」という声まであったと光一くん本人も語っていました。
熱心な舞台ファンからのアイドルへの風当たりは強かったということです。
ですがその後「SHOCK」は帝国劇場で毎年上演される作品となりました。
これはもちろん作品が素晴らしいからというのが一番ですが、マナーに対するファンの配慮も大きかったといえます。
光一くんが帝国劇場で座長を務めることへの批判があるのは、もちろんファンもよく知っていました。
だからこそ、自分達がしっかりマナーを守らなければいけない。光一くんの覚悟の邪魔をしてはいけない。応援している人の顔に泥を塗るわけにはいかない。
絶対に「ほら見ろ、これだからジャニーズは」とは言わせない。
今の帝国劇場ではSHOCK以外のジャニーズ主演舞台が多数上演されていますが、その裏には光一くんとファンの強い覚悟があったということです。
最近は帝劇にカジュアルな服装で行く人も多く昔ほど敷居が高いお堅いイメージはないように感じます。
ですが帝劇に限らず劇場は特別な場所。
演劇でお腹は膨れないけれど、チケット代は食事代より高いなんてざら。
それだけのお金を払って、数時間夢のような世界へ入りこむ。
自分勝手なマナー違反によって他のお客さんの楽しみや、演者やスタッフの何十時間何百時間の努力を台無しにしてはいけない。
もちろんマナー違反は自分にとって迷惑で嫌だというのもありますけど、何より私は自分の好きなタレントの邪魔をする人が許せない。むちゃくちゃ腹が立ちます。
頑張ってもがいて苦しんで悩んで稽古に励んでたくさん準備して、せっかく良い役者として認められても
「ジャニーズ呼ぶと客がこれだから…やっぱりアイドルは…」なんて思われてその先の未来をぶち壊す可能性も決してゼロではないですからね。
だって、ジャニヲタの間でさえ「○○のファンはマナー悪いよｗ」とか噂されますし。
一個人として観に来ているつもりでも「○○のファン」として見られるんです。
全く悪くないはずのタレント本人が肩身の狭い思いをすることがあるんです。
ファンなら「応援」をしてください。
マナーを守らず現場に来ることははっきり言って邪魔になってます。
そのタレントが好きなら、何がそのタレントのためになるのか頭を使って考えてください。それが応援というものだと私は思います。
本当ならこういった厳しいことはあまり強く言いたくないです。
ただみんなで楽しく時間を共有できたらいいなと願っています。
その舞台のことを思い出したときに「よかったなあ」とか「素敵だった」じゃなく、「あのお客さんいやだったな」ってなってしまうのは寂しいので。
劇場に足を運んだみんなが本来の舞台の魅力を心の中にいっぱい詰め込んで帰れますように。
